アクター×アウター 〜演じる彼女と目立たぬ彼女〜
内容紹介
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アクター×アウター 〜演じる彼女と目立たぬ彼女〜
1人の少年と2人の女の子の話。
自らの人生を演じている女の子、瀬能芹奈(せのうせりな)。彼女はクラスではいじめられていて周囲から浮いている存在だけど、何故かみんなが憧れの生徒会の連中は彼女を特別視している。
主人公の鳴海葉鍵(なるみはかぎ)は、転校してきた日に芹奈と出会い、物語を好む彼女の演技に付き合わされる羽目になる。2人の設定は「恋人」だった。
そしてもう一人の女の子、霧宮玲於那(きりみやれおな)。彼女は自分が物語の登場人物にならないように、目立たずコソコソ生きている。
ある目的の為にこの町に来た彼女。黒スーツがデフォルトの姿の彼女は、芹奈と親しい葉鍵にある調査の協力を頼む。できるだけ目立たずこっそりと。
物語を愛する少女と、物語を嫌う少女の間に立つ少年。そして巷では連続首絞め事件なるものが起こっていて……。
全ての鍵は瀬能芹奈にある?
〜登場人物紹介〜
【主人公】
鳴海葉鍵(なるみはかぎ)
心優しい少年
【演じる少女】
瀬能芹奈(せのうせりな)
周囲から浮いている不思議系な少女。彼女にはある秘密があるらしい。
【目立たぬ少女】
霧宮玲於那(きりみやれおな)
ある日、町にやってきた黒スーツの怪しい少女。巷で起こっている通称「首絞めジャック」事件を追っているようだが。
【生徒会長】
奏上大賀(そうじょうたいが)
人望の厚い生徒会長。女子からの人気が凄まじい。完璧超人。
【副会長】
橘陽菜(たちばなひな)
スタイル抜群、運動神経抜群、クール、な生徒会長の右腕。性別は女だけど、なぜか女性からの方がモテる。
【生徒会会計】
川切落花(かわぎりらっか)
一見すると女の子のようだけど、実は男の子。可愛い男子としてお姉さん達に大人気。
【葉鍵の友人】
五反田圭(ごたんだけい)
葉鍵の学校のクラスメイトであり友人。色んな事件に首を突っ込みたがる。
【いじめっこ代表】
西澤アンナ
芹奈をいつもいじめている。奏上大賀の事が好きだけど、奏上は芹奈に気があるみたいで余計ムカツク。
《あとがき》
物語を物語として登場人物達が演じる、という小説を書いてみたくて実験的な意味で創りました。
演じるだけではどうかなってことで、それとは真逆の「目立たない」って部分も取り入れちゃいました。
ま、この作品に限らず人は生きている限り……というか他者と関わって生活する限り、多かれ少なかれ『演技』しているっていうのは私が言わなくても分かるでしょう。
だったら本当の自分はどこにあるんだ、って言われたら……『演技』してる部分も含めて全部が本当の自分なんでしょう。
そこで私は思うわけです。じゃあ日々の生活の中で嘘をついたり取り繕ったりと、自分にベタベタ添加物的な物をつけくわえたのが本当の自分なら……自分の中にある本当に大切なものからどんどん遠ざかっていっちゃうんじゃないか。
それが成長というものなのかもしれませんが、私は小説家になるという夢はなくさずに合成着色料だらけの体で頑張っていきます。
なんだかよく分からなくなりましたね。どうやらこのあとがきも余計な添加物みたいでした。