姫の夢を叶える要
第二章 走るオモイ
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――俺の話をしよう。
そもそも奏目の物語を語っているのだけれど、三人称の視点が実は俺の視点なわけだから、当然そこには俺の考えや独断、さらには物語の進行上どうしても嘘や、しらばくれが混ざってしまうわけで……もしかすると事実と異なる点があるかもしれないのだ。だからこの場合、ある意味神の立場とも言える俺の事を知っておくにこした事はないと思った次第で……蛇足ながらにしばらくお時間を頂きたいのだ。
だから――俺の話をしよう。